サークルデザイン株式会社(本社:東京都世田谷区、以下「サークルデザイン」)は、サステナビリティ・ソリューション提供のグローバルリーダーであるthinkstep-anz(本部:ニュージーランド)と提携し、素材・製品のサーキュラリティ(循環性)を測定する計算ツール「Ecotegral MCI」の日本語版を監修、thinkstep-anzが提供を開始したことをお知らせいたします。

背景:製品レベルでのサーキュラリティ測定・評価における重要性の高まり

サーキュラリティを客観的に評価するニーズが高まるなか、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)と国際連合が主導するOne Planet Networkは2025年11月、「グローバル循環プロトコル(GCP)」を策定・発表しました。同プロトコルにより、企業におけるサーキュラリティ測定と事業戦略への統合が容易になりました。GCPはISO 59020に明示的に準拠しており、企業がグローバル共通指標でパフォーマンスを測定することを可能にします。

一方で、組織レベルでのサーキュラリティ向上には、素材・製品単位、すなわちミクロの視点からのボトムアップアプローチも同様に不可欠です。サークルデザインは、その受け皿であり、グローバル標準の測定手法である「MCI」を日本企業がスムーズに導入できるよう、ツールの日本語化および導入支援体制を構築いたしました。

なお、弊社はサーキュラリティ測定や評価を事業戦略と統合するサーキュラリティ評価支援をCircularity Assessment & Transitionとして行っており、GCPの実践と展開をリードする枠組みであるフロントランナー連合にも加盟しております。今回のMCI計算ツールの日本語版発行により、MCIが本サービス内で使用できるツールとして位置づけられることになります。

「MCI(素材・製品循環性指標)」とは

MCI(Material Circularity Indicator)は、エレン・マッカーサー財団によって開発された、リサイクル・リユース・耐久性・調達、および製品寿命に基づいて製品のサーキュラリティを0%から100%のスコアで算出する指標です。

たとえば、ある製品における再生材使用率は30%だが、耐久性は他社製品に比べて低い。ある製品はリサイクル可能性が担保されている。また、ある製品の原料はバージン材だが耐久性が高いーー。こうしたサーキュラリティに関する複数の視点を統合し、サーキュラリティとして測定するのがMCIです。

今回の「Ecotegral MCI」の開発を主導したthinkstep-anzのHead of Circularity であるジム・ゴディン(Jim Goddin)氏は、MCIの共同開発者の一人であり、本ツールは本分野において最も信頼性の高い方法論を有しています。

「Ecotegral MCI」とは

Ecotegral MCI は、MCI測定を容易にするツールとしてthinkstep-anzによって開発されました。製品の部品構成表(BOM)、推定耐用年数、および廃棄後の回収予測を入力するだけで、信頼性の高いMCIスコアを生成できます。これにより、異なる設計案や材料選択が、サーキュラリティにどのような影響を与えるかを迅速にシミュレーションすることが可能になります。

Ecotegral MCI は製品設計時に特に真価を発揮しますが、既存製品に適用することも可能です。これにより、組織は製品ポートフォリオ全体でサーキュラリティの比較評価を行い、改善の機会を特定し、経時的な進捗を追跡できるようになります。

Ecotegral MCI 3種別

  • MCI Trial: 数分でMCIを算出する初期ツール。Ecotegral MCIの使用感や手応えをまずは確認できます。
  • MCI Pro:製品開発、調達、サステナビリティ部門が、具体的な方針を決定できるレベルでの測定が可能です。
  • Custom MCI:企業の特定の製品ラインや市場特性に合わせてカスタマイズするMCI測定ツールです。

詳しくは、下記をご確認ください。https://www.thinkstep-anz.com/services/circular-economy/material-circularity-indicator-mci-calculator/

ツール導入のメリット

Ecotegral MCIは、設計開発者だけでなく、経営企画、製造、マーケティング、総務など、全部門がサーキュラリティを「共通言語」として理解することを可能にします。これにより、デザインからEOL(製品寿命終了時)まで共通言語に基づいたサーキュラリティ戦略を策定しやすくなります。また、MCIは狭義には製品のサーキュラリティを測定する方法論ですが、その測定を通じてより広義の戦略やビジネスモデル構築、さらにはコミュニケーション戦略まで落とし込むことも可能です。

  • 評価(Assess): 製品がどれほど循環型であるかを迅速に評価します。
  • 特定(Identify):コスト、炭素排出、および材料使用におけるホットスポットを特定します。
  • 比較(Compare): 一貫した方法論に基づき、異なる設計案や調達戦略の優劣を比較・検討できます。
  • 統合(Integrate): LCA(ライフサイクルアセスメント)やEPD(環境製品宣言)にMCIを容易に追加できます。
  • 自信を持った主張(Confident claims):
    • ISO 59040に準拠した手法により、MCIスコアを第三者機関で検証することで、自信を持って対外的な情報発信を行うことができます。ISO 59040は、機械読み取り可能な形式と定義された一連の循環性データを使用することで、サプライチェーンにおけるコミュニケーションと透明性を高めるように設計されています。この規格の使用は、同規格を採用するデジタル製品パスポート(DPP)をMCI Proへと連携させる際や、サプライチェーン内で材料や部品に関する標準化されたデータを伝達する際に特に有用です。
    • MCI Proにおける「宣言(Declaration)」は、検証可能なレポートであり、MCIを例えばEPD(環境製品宣言)内や単独のレポートとして公開するための効率的なルートを提供します。

メッセージ

thinkstep-anz Head of Circularity (MCIおよびISO 59020共同開発者):ジム・ゴディン博士

「MCIは、今日使用されている循環性指標の中で、最も確立され、国際的に認められているもののひとつです。これは主要なLCAツール内で採用されており、デジタル製品パスポート(DPP)や環境製品宣言(EPD)への統合がますます進んでいます。また、MCIは国際規格であるISO 59020の開発にも知見を提供し、循環性の測定におけるより高い一貫性と信頼性を支えています。私たちは、サークルデザイン社と協力してMCI Proツールを日本で提供できることを大変嬉しく思います。このプラットフォームは、デザイナー、製品マネージャー、サステナビリティの専門家、マーケティングチーム、そして調達のスペシャリストが、それぞれの循環移行(サーキュラー・トランジション)の旅路全体を通じて意思決定に循環性の考慮を組み込むことを支援し、Global Circularity Protocol(世界循環性プロトコル)の野心的な目標をサポートしていくでしょう」

サークルデザイン株式会社 代表取締役 那須清和

「MCIは、製造業のみならず、サーキュラリティの高い製品を調達するニーズに応えるなどあらゆる場面で活用できます。ますますデータドリブンでのサーキュラーエコノミー移行が求められるなか、ミクロな視点におけるデータに基づいたサーキュラリティ測定は、極めて重要な位置を占めるでしょう。今回の日本語版開発はその一助となり、日本におけるサーキュラリティ向上の強力なフックとなることを期待しております。弊社はツールに関する支援に留まらず、MCIを事業戦略や製品戦略へ統合するためのコンサルティングも支援してまいります」

 

FAQ(よくある質問)

  • Q: MCIはISO規格に準拠していますか?
    • A: はい、MCIはISO 59040に準拠しています。また、手法自体もISO 59020の用語や要求事項と整合しています。
  • Q: MCIスコアとは何を意味しますか?
    • A: サーキュラリティを0%から100%の範囲で表し、数値が高いほどサーキュラリティが高いことを示します。
  • Q: MCIは環境影響を測定するための指標ですか?
    • A: 単独ではそうではありません。MCIは「サーキュラリティ」を測定するもので、CO2排出量などの「環境影響」を測るLCA(ライフサイクルアセスメント)等の手法と併用して活用されるべきものです。

参考資料・サイト

Material Circularity Indicator (エレン・マッカーサー財団)

https://www.ellenmacarthurfoundation.org/material-circularity-indicator

A better way to measure product circularity (thinkstep-anz)

https://www.thinkstep-anz.com/resrc/blogs/a-better-way-to-measure-product-circularity/

サーキュラリティ測定・評価解説動画(サークルデザイン株式会社)

https://circledesign.co.jp/circularity-metrics-recording-2025/

詳細・お問い合わせ

MCIの詳細確認および購入

下記thinkstep-anz 公式サイトの専用ページよりお願いいたします。

thinkstep-anz公式サイト :https://www.thinkstep-anz.com/services/circular-economy/material-circularity-indicator-mci-calculator/

日本国内での導入サポート

日本語での操作デモ、および事業統合へのコンサルティングをご希望の場合は、下記までお問い合わせください。

サークルデザイン株式会社 メールアドレス:info@circledesign.co.jp (※メール送信の際は「A」を「@」に変換してください)

組織紹介

サークルデザイン株式会社

サークルデザイン株式会社は、サーキュラーエコノミーに特化して、共創プロジェクト・コンサルティング・リサーチ・研修・コミュニケーション支援などを提供し、現在のリニア型経済社会モデルから循環経済社会モデルへの変革へ寄与したいと考えています。ビジョンは「サーキュラーエコノミーを手段として、『人』と『自然』が共に繁栄することに貢献する」です。

URL: https://circledesign.co.jp/

thinkstep-anz(シンクステップ・アンズ)

thinkstep-anzは、オーストラリアおよびニュージーランドを拠点とするサステナビリティの専門組織として、科学的根拠に基づいた戦略策定、ライフサイクルアセスメント(LCA)、循環経済の導入支援などを提供しています。企業のサステナビリティ活動を、単なる宣言から定量化された確かな成果へと導くことで、国境を越えた持続可能な社会の実現に寄与したいと考えています。ビジョンは「科学と情熱を融合させ、企業が次世代に誇れる価値を創造することに貢献する」です。B Corp認証取得。

URL: https://www.thinkstep-anz.com/