謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 
 

昨今のサーキュラーエコノミー(CE)の動きや弊社の活動に対するフィードバックなどから、ビジョンを下記のように再設定させていただきました。 
 

「サーキュラーエコノミーを手段として、『人のウェルビーイング増進』と『負の環境影響』を分離する『真のデカップリング』に貢献する。」 
 
ウェルビーイングの増進と負の環境影響をマイナスにするという点は、言い換えると「人と自然にポジティブなインパクトを与える」、もっと平たく言うと「人と自然に優しく」といった言葉に近いものがあります。

ウェルビーイングは、各人により解釈は様々あるなかで、「経済的な豊かさ」が一つの構成要素だとすると、ウェルビーイングは持続可能な経済の基盤の上に成り立っていることがわかります。この意味で、行政だけではなく企業もこの「真のデカップリング」を実現するために果たす役割は大きいと言えます。 
 

「人のウェルビーイング増進」と「負の環境影響」のデカップリングはCEだけでは実現できません。人的資本への投資や教育、GHG排出削減、生物多様性回復に向けた活動などを組み合わせなければなりません。ただ、CEは社会のあり方とシステムを変える有用な手段として、必要不可欠なものとなりつつあります。 
 

食や建設など、環境再生とウェルビーイング双方の貢献幅が広い産業、介護や医療など主にウェルビーイングに寄与できる産業と、産業特性により真のデカップリングへの貢献度は変わります。そういった幅があるなかで、CEを横串にして通すとき、その目的を定めておくことは、CEがツールとして何のために活用されるのかが明確に特定できることになります。 
 

CEにおけるこの分野の研究はまだ始まったばかりですが、さまざまな視点をもとにアップデートし続けてまいりたいと存じます。 
 

上記の大きな方向性を定めつつ、2023年においては下記5つの領域に注目いたします。 
 

  • 【持続可能な循環型ビジネス】各業態・サービスに合った繁栄できる循環型ビジネスモデルのアップデート/サービス化における経済的持続性の追求/CEとRRRDR(RRRDR:Remanufacturing(リマニュファクチュアリング)、Refurbish(リファービッシュ), Repair(リペア)、Direct Reuse(直接再使用))
  • 【気候変動とCE】GHG排出削減に資するCEの側面をビジネス戦略や行政施策にどう活かすか
  • 【デジタルとCE】GAIA-XやDPPなどのデジタルデータ基盤整備とCEとの関係、Web 3.0におけるCEユースケース
  • 【規制・標準化動向を受けた動き方】EUにおける規制やイニシアチブ、ISO/TC323(CE規格)・IFRSサステナビリティ開示基準などを受けた循環型ビジネスのあり方
  • 【サーキュラーシティ】サーキュラーシティに向けた具体的政策ツールの検証

こういった方向性と2023年の注目領域をもとに、人と自然にポジティブなインパクトを生み出せるよう、尽力してまいります。本年もご指導・ご支援のほど、何卒どうぞよろしくお願いいたします。